4/14に行われるくろまめ走行会まで残り2週間。
私とにくきゅう氏が開催し予定している20人程度の走行会。走行会の主催という経験は初めてである。。。
そこに向けて準備をしてきたので軽いチェックとお花見目的でいつものPWへ。
もともとにくきゅうさん(ZC33S)、白なな(FD3S)さんらと落ち合う予定だったのだが、みんなINする時間も目的もバラバラ。
にくきゅうさんは福井のお客さんの接待(?)で。
白ななさんはドライブで。
僕はセッティング変えた手ごたえのチェックで。
そんな中、この機会に筑波仕様フルチューンのFDをご厚意で運転させていただけることに。
なんでも相当な仕上がりで、馬力にしても推定400PSほどでは?という仕様だそう。
⇓ここからは個人的感想をば。私は経験こそいろいろな場所で多少積んでいるものの、決してその道のプロなわけではないので温かい目で見ていただけると助かる。まあ、せっかくなんで覚えてるうちに。
実際走らせると私でもわかるほど、他とは次元の違う出来栄え。
足に関しては中古の軽が一台購入できる額のシロモノが入っているとのことだし、ロールケージやシングルBIGタービン化、バッテリー移設など、他のありとあらゆる部分の性能のたたき上げが行われている。もしかしたらコーナーウェイトまでも考えられているかもしれない。。。
ちなみにパワーに関して言うと申し分ないのは当然、目を見張るのはその絶妙なセットアップだった。ピークパワー重視で低速を犠牲にするのではなく5000~7500rpmあたりをうまく使いながら走ることを目標に…つまり中~高(弱)速重視で賢くまとめられていた。
8000rpm以降はシフトチェンジをためらう場面に対応するための余力にしてあるのだろう。おそらく筑波のバックストレッチでがっつりタイムを稼ぐのではなく、インフィールドで安定してタイムを刻むためにこうしたのかな…と個人的には感じた。
動きの基本は弱~中アンダー。一発のタイムを狙ったピーキーなセットではなく、何週もアタックできるような懐の深さをもつセットだと感じた。
しっかりフロントに荷重を移して、クリップより少し手前から1~2割程度のパーシャルで踏み込んでいき、出口に向けてそこから積極的にアクセルを踏み込みじんわりと向きを変える。前にスライドさせていく、臆することなくアクセルをあけるテクニックが必要なセッティング。
ただ、このアクセル主体で曲がる部分に関して、非常に限界が高くロールやピッチングの動きに恐怖感がない。ショックも筑波仕様と聞いていたのでショートストロークを覚悟していたが、思ったより…という塩梅で、普通の車高調より少しショートなぐらい。ギャップに対して起こるアクションや収まりも優秀そのもの。
一般的な足回りと大きく違うのはショック容量自体に余裕があるようなコシのある滑らな減衰特性と、そこに合わさる硬さのスプリング。底付などは当然のように皆無。
高すぎないイニシャルと加速側で少々キツめに効くデフ(設定かオイルチョイスか)…この足回りに対するマッチングも文句なし。。。
ドライバーの意思でリアを滑らせても車側がそれとなく止まりたがるような滑り方(例えが難しい)。全体の動きの質感が非常に高く、この絶妙なセットには舌を巻く。
また水温、油温、油圧、ブースト等、各コンディションの安定感も◎。
数値の安定するスピードが一般的な車よりけた違いに速いし、なにより下がりすぎる上がりすぎるということはよほどの負荷がない限り決して起こらないだろう。
ブーストも概ね0.9K程度。立ち上がりも穏やかでどのような状況下でも心配になるような数値の動きをしない。
ここまで緻密な制御は純正書き換えやeマネでは…ということでオーナーにV-proか?と聞いてみるとビンゴ。やはり高級なフルコン制御であった。
ただブレーキは物足りなさを感じ、詰めるのであれば800℃程度~の容量が欲しく感じる。ABSも少々弱めに感じ、踏力に対してプアーな部分が鼻につく。(エア噛みのような)
意図的にそうしてあるのだとすると、むしろ切った方が速そう。正直ここまでのスペックだとRX-8のような鬼のように止まるブレーキが欲しい。
あえて純正強化ベースにしているのはもしかするとばね下重量増加を考えてフットワーク重視にしているのかも…
(ちなみに実際ABS切ることもできるらしいし。やはり考えてある。。。)
まとめるとタイムを狙うのであれば中級~上級者向けのセット。
パワー慣れ、荷重移動の理解ができている人、どんな状況でも踏み込んでいける人のみこの車の持つポテンシャルを芯から感じることができるのだろうなと思う。
初心者でもかなり安心感があるが、そのレベルでタイムを出そうとするとノーマル車やライトチューン車より確実に曲がらなく感じるだろう。そういった人はノーマル+αの車に乗った方が数字は出せそうだ。。。出ているパワーも相まって。
しかしチューニングカーにありがちなガンガン体力を消耗するような車ではなく、あくまでドライバーに情報をしっかりと伝えてくれて、慣れればロングランも可能。。。
自身の腕を鍛え、勉強し、何度も走り込みトライすることでタイムを刻む喜びを感じていける…そういった懐の深さが光るハイレベルなバランス感が大変好印象だった。
総評、下手なショップデモカーよりレベルが高い…が求められるスキルも少々高い。
ただしハマる人間は矢の如くどんなステージをも駆け抜けることができそうである。
うちのロードスターはここまで同じにしようとは思わないが(というか元が違うのでなるわけないが。笑)遊ぶ車の一つの答えとして到達すべき座標を示してくれたように思う。
このレベルまで仕上げるとなるとありあわせのパーツとセットでなんとか…という感覚を捨てて時間と金をかけて最高のものを導入し、腕のある人間が最高のバランスで仕立てる必要があると感じた。
改めて私にキーを渡してくれたオーナーに感謝の気持ちを述べたい。
さて…立ち位置をいつもの状態に戻して自分を見つめ直す。。。
仮にこのような満足のいく仕上がりに持っていくとなると確実にホワイトボディから作り直したくなる。
そもそも前オーナーにより腹打ち済み、右フロント事故歴有の個体なので大変な作業が必要になるだろう。現状を例えるならくたびれた体を無理やりコルセットで固定して保っているような感じである。
箱替えが一番いいのだろうが、何故かあえてこの個体でチャレンジした結果を見てみたい気もする。
その先で無駄になってもいいので、やったからこそ見えるものがあるかもしれないな…というわくわく感の方が勝ってしまっている。
先のことを思考したり貴重な体験をしたりとなにかとテンションが上がってしまう。。。
その後、いろんな方とお会いして他愛ない話を。
熱くなった自分をクーリングしてもとの状態に。現実へ引き戻していただいた。
誠に車弄りというのは底が見えない沼である。
~追記~
このFDの元製作者である方も当記事を読んでいただけた模様。
誠にありがたく思うとともに、この場で感謝を述べようと思う。
今回のインプレッションに関しては聞くところによると概ね正解だそう。(よかった
ただブレーキに関して、感じる部分を聞いたところ、現オーナー白ななさんのメンテ不足説が濃厚。(H君、しっかり…!!!笑)
ハイチューンの車はよくあるライトな車両の比ではないメンテナンスありきだということを忘れないようにしたい。